2011年7月22日金曜日

俺クラシックスその1!!!!!! GANGSTARR "MASS APEAL"

"俺クラシックスシリーズ"その1。

「人には自分だけの名曲がある。人はそれを"俺クラシックス"と呼ぶ」
 ーヨハン・セバスティアン・バッハー

自分で言っていいものかわからんが、俺もそれなりの人生をヴァイナル収集に費やしてきた。
だから部屋にもある程度のレコードがたまって、居場所がどんどん狭くなっている。
これ迄聴いてきた何万曲という曲の中で(レコードの枚数じゃないぞ)、特別な曲というのは何曲もある。

それをこの"俺クラシックスシリーズ"では紹介していきたいと思う。
メジャーどころは誰もが知るところなので、なるべくアンダーグラウンドな曲を中心に紹介していきたいかと思う。
ジャンルは特にHIPHOPとハウスをメインにしていきたい。
HIPHOPに関しては90年代の曲と、2000年代半ば迄の曲をその日の気分で適当に紹介していきたい。

え?何故いきなりこんな事はじめたかって?

ネタ切れですよ。
ネタがないからですよ。
あと、日記書く事の労力ね。
結構つかれんだぜ。
こんなクソブログでも。

で、記念すべき1曲目ですが.......

GANGSTARRの"MASS APEAL"

です。

え、どこがアンダーグラウンドなんじゃいって?
ですよねえ〜。
超どメジャーですよねえ〜。

しかし、1回目にこの曲を選んだのには深い訳があるのだ。
聞いてくれ。
10代半ば以降の俺はHARDCOREばかり聴いていた。
その間にも他の音楽も多少は聴いていたが、基本はHARDCOREだった。
朝起きてHARDCOREを聴き、寝る前にHARDCOREを聴く。
興奮して熟睡できたもんじゃなかったぜ。

他の音楽。
その中にはHIPHOPもあった。
P.E.とか、N.W.A.とか、脱退後のアイス・キューブ、そういう当時のロックファンが好みそうなのとか(サイプレスは聴かなかったし、ハウス・オブ・ペインは嫌いだったな)、ジャンブラ、ブラック・シープ、K.M.D.とかは聴いてた。
特にジャンブラの2ndは大好きだった。
今もってしても好きだ。
逆にネイティブタンでもデラとかトライブの1stはそれほど好きではなかった(トライブを本当に好きになったのは3rdアルバムからかな)。

で、20歳位になるとHARDCOREに嫌気がさしていた。
それにはいろんな理由があったがあまり関係無いのでとりあえずここでは書かない。

それで、他の音楽に興味が移っていくんだけど、特にテクノやハウス、HIPHOPを聴く様になっていた。


俺世代でHIPHOPにハマった人達の大半はRUNDMCの"WARK THIS WAY"や、ビースティーズの"FIGHT FOR YOUR RIGHT"からだろう。
COOL Jもだな。
だから、俺の年齢からすると10代半ばだ。
当然俺も"RAISING HELL"も"LICENSED TO ILL"も買った(特に前者は今でも俺のHIPHOPアルバムオールタイムベスト10に入っている)。
もう少し歳上の人達や耳の早い奴らなら映画"WILD STYLE"から入った人も多いだろう。

でも、まだ、10代の時はHIPHOPに関しては本当に好きなアーティストのアルバムが出たら買うぐらいで12インチまでは掘っていなかった。

しかし、20代に突入した後、その後の俺の人生を狂わせる強烈な曲を耳にしてしまったのである。

それが、GANGSTARRの"MASS APEAL"である。



この曲を聴いた時の衝撃たるやものすごいものだった。
何がすごいって、まず、この異常なまでのミニマルさ。
それでいてグルーブ感がすごい。
エレピの1小節ループですよ。
4拍ですよ。
展開は、フックでのプレミアお得意のきれのいい声ネタによるコスリのみ。
これで、完全な1曲の名曲として成り立ってるんですよ。
そして、やはり、プレミアのトラックにはグールーの声がしっくりくる。

正直、GANGSTARRの2nd"STEP IN THE ARENA"などはあまり好きではなかった。
日本のメディアが(特にREMIX)当時ジャズラップ等と括ってたのも好きになれなかった。

しかし、4thアルバムからの1stカットであるこの曲で、完全にノックアウトされたんだね(3rdアルバム""DAILY OPELATIONもいいアルバムですよ)。
「ああ俺はこれからずっとHIPHOP聴いていくよ」と。

実際にはHIPHOPの影響でSOULやJAZZも聴いていたし、ハウスも聴いていたけど、その根っこはHIPHOPなんだな。
コスリも2枚使いもできんが......。
でも、HIPHOPに出会わなければSOULやJAZZをはじめ世界中の音楽を掘っていくという作業をし続ける事はおそらくなかったんだな。

話を戻すと、このちょっと前辺りからプレミアの快進撃ははじまっていたんだけど、この辺りからの勢いはすごかった。
出す曲出す曲ハズレ無し。
ジェルー、グループ・ホーム、ギャングスター・ファウンデーション(ビッグ・シュグやアフラもいたな)以外への楽曲提供。
プレミアがプロデュースってだけで試聴もせずに全て買ってた。
ついでだから動画はっておく。



"MASS APEAL"の次にカットしたシングル。
2小節ループとフックのスクラッチだけ。
これも名曲。



このトラックを聴いた時の衝撃もすごかったな。
「なんだこのネタは?」って。
「この水滴の様な打楽器の音とスクラッチだけで1曲作んのか。マジか。ヤベーよこれは!!!!!」って。
誰もが思ったと思うけどね。
そして、ジェルーのラップはカッコいい。
この後、アングラHIPHOP界で変なネタをループしたトラックが流行った気がする(その中にはカッコいい曲も、どうしようもない曲もあったな)。



これもフリップしたネタがヤバい。
そして、やはりジェルーのラップはカッコいい。



名曲"JUICY"の12インチのカップリングで入ってる。
このフリップ具合は素晴らしすぎる。
ビギーの1stアルバムは素晴らしいが、実はこの曲が一番好きだ。



この曲も今聴いてもヤバすぎる。
カメオのある曲の2小節を、前半と後半を入れ替えて作られているらしい。
2人の正反対のキャラのたったラップもかっこいい。



ファット・ジョーにもこういう時代があったんですよ。
ネタが大好きだ。
ドラムはこの頃はまだ、バラして打込みではなく、ループの様だ。



NASの歴史的名盤であるデヴューアルバムに収録。
このアルバムは言うまでもなく、当時のNYのプロデューサー界の精鋭大集合の上に最高のラッパーという素晴らしすぎる内容。

という訳で、いきなり超どメジャー曲からはじまった『俺クラシックス』ですが、俺がこのヴァイナル地獄に(いや天国だな)ハマってしまうきっかけを作った曲、そして、いまだもってして、俺の中で一番好きなHIPHOPの曲なんでどうしてもこの曲からはじめたかったんですね。

では、今後も『俺クラシックス』。
不定期ですが、曲紹介していくんでよろしく。
多分、次からはちょっとずつアンダーグラウンドになっていくと思うよ。