2011年3月4日金曜日

PHIL VANE R.I.P.

最近、ちょっと忙しかったのとテンションが低くなっていたのとで、ブログの更新をサボっていたが、これだけは書いておきたいという事があって、今更だが書こうと思う。

"EXTREAM NOISE TERROR"のヴォーカル、PHILが2月17日に亡くなった。
享年46。

PHILの死に関するCD Journal.comの記事


死因はあきらかになっていない様だが、若すぎる死だよな。

正直なところ、ここ20年程は、リアルタイムなハードコアを聴いていなかったので、現在の"E.N.T."がどのようなサウンドになっているのかは知らない。

しかし、10代の頃に最も好きなバンドのひとつであった事は確かだし、俺の価値観や物の見方に少なからずも影響を与えたバンドのひとつでもあった。
"DISCHARGE"を発展させた様な重くて速いサウンドも、高低ツインヴォーカルも新鮮だった。

そして、俺が初めて生で観た海外のハードコアバンドだった。


今でこそ、世界中のハードコアバンドが来日してツアーをするというのは普通の事の様になったが、当時、海外のハードコアバンドが来日するというのはまずほとんど無かった。
ハードコアという音楽自体も、今の様に市民権を得ておらず(この表現には異議がある方もいるかと思いますが)あくまでもアンダーグラウンドな音楽だった(今でもほとんどのバンドはアンダーグラウンドだろうけどね)。

おそらく、"E.N.T."以前に来日を果たしていたバンドは、俺の記憶が正しければ"CHAOS UK"と"NAPALM DEATH"ぐらいだったんではないか(もしかしたら"DISCHARGE"や"DISORDER"も来日していたかもしれないし、"NAPALM DEATH"は"E.N.T."より後だったかもしれないが......)と思う。

そして、そんな状況の中でなんと、東京だけではなく仙台にもツアーに来るという事で(当時としてはこれはほんとに奇跡みたいな話で)、当時多分まだ10代だった俺は、もう嬉しすぎてライブの日まで待ちどうしくてしょうがなかったよ。
興奮してた。
毎日。
※この来仙が実現したのは当時仙台にもあった某D.E.というショップのおかげなんだけどね。

対バンは、東京から"GAUZE"と"RIP CREAM"、地元から"BANISH ARMS"と"FAT SLAVE"という今考えても豪華すぎる布陣だった。
この時のライブを観た人で「"E.N.T."より"GAUZE"や"RIP CREAM"の方がよかった」という人達もいるが、俺的には"E.N.T."も日本のバンドも同じようにカッコよかったと思ってる。

PHILとDEANの高低使い分けたツインヴォーカルもカッコよかった。

これも、俺の記憶が正しければだけど、たしか、PHILは腕に日本語で『自由と平和』って彫っていた。

あの頃は、毎日ハードコア漬けで、ハードコア以外の音楽はほぼ聴いてなかったな。
70's PUNKですら聴いていなかった。
そして、当時はネットも無いし、情報源といえばせいぜい『DOLL』に数ページ程載ってる記事(マクシマム・ロックンロール誌も一部のレコ屋では扱ってはいたが、英語がまったく読めん)。
ハードコアのレコードを置いている店も少なかったし、今の様に何でも視聴できる様な状態でもなかったんで、レーベル買いや、レコードの裏面を隅々迄見て勘で買ってみたり、ジャケ買いして失敗してみたり。

で、そんな中で最も好きなバンドのひとつである"E.N.T."を全盛期に生で観られた事はほんとうに良かったと思う。

その後しばらくして、俺はハードコアやその影響下にある様な音楽はまったく聴かなくなってしまった。
これにはいろいろ理由があるが、サウンドのマンネリ化、自分にとってまったく興味の無いサウンドが台頭してきた事、そしてなによりも決定的だったのは、ハードコアというかパンク的なアティテュードに対する俺の幻想が崩れたというのがある。完全に崩れさった。実情は俺が抱いていた理想とはかけ離れていたと感じてしまったんだな。当時は。まあ、いろいろあって(まあ、今更どうでもいい話ではあるが)。

で、10年以上ハードコアを聴かなかった時期があったんだけど、30代半ばぐらいからかな。
「やっぱハードコアかっこいいな」ってなって、さすがに(俺の中で)失われた10年程のバンドを掘っていくという事はしなかったし、リアルタイムのバンドを聴いていくという事もしなかったけど、80年代のバンドをあらためて聴いて(200枚程は売らずにとっておいたからね)ヤべーとか思ったり、昔二束三文で売ってしまったレコードを中古で買い直したりしはじめた。
昔、欲しかったけど持ってなかったレコードとかも買ってみたりしてね。

10代の頃にハマってたバンドや、サウンド、それこそクラストからノイズコアみたいのやアナーコパンク、S×E、DC系やグラインドなどどれも好きだけど、その中でも何が一番好きなのかってなるとやっぱイギリスの音楽、特にクラストなんですねえ。

やっぱり、"DISCHARE"の"WHY"が原点だったから(もしかしたら、その前に日本のバンドを聴いていた可能性もあるが......)。
初めてハードコアを聴いた時の衝撃たるやもうものすごいもんだった。
それ迄聴いてきた音楽とはまったくもって異質のものだったから。
「これだ!!!」って思ったね。

で、そんな事も思い出しながら最近も、自分でハードコアのコンピCD『俺の青春』シリーズを作ってみたり、ライブにも行き始めたりしてたのだが、PHILが亡くなったという悲しいニュース流れてきた。

PHIL。
俺は、あんたのやってた音楽を忘れないし、これからも聴き続けるよ。
安らかに眠ってください。
そして、天国でも楽しく騒いでくれ。


名盤だったね。


"FILTH KICK"とのSPRIT。
これも名盤だったね。
"GUY"のカヴァーをやってる。





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