2011年1月7日金曜日

MARI IIJIMA "BRANCHE"

飯島真理『ブランシェ』


84年リリースの飯島真理セカンドアルバム。

世界3大『飯島』といえば、『飯島愛』、『飯島夏希』、そして『飯島真理』である。

飯島真理といえば、俺ら世代にはアニメ『超時空要塞マクロス』の中に登場するキャラクター『リン・ミンメイ』の声をあてた人というイメージが大半だろう。
しかし、本業は言うまでもないがシンガー・ソングライターである。
当時子供から大人(ヲタ)まで、絶大な人気を誇った『マクロス』に登場するアイドル歌手『リン・ミンメイ』を演じた事によって世間一般における彼女の知名度があがった事も事実だとは思うが、逆に『リン・ミンメイ』という存在が彼女にとって長い間足枷になった事もまた事実であろう。
実際、このサイトなんかでも未だに『初代リン・ミンメイ役の』的な語られ方をしている。
本人的にはこの事にはかなり葛藤があった様で、一時期は『マクロス』関連の企画には一切関わらなかったという。


           リン・ミンメイ(鈴明美)

ミンメイの画像を探そうとしてググったらウイキペディアに『リン・ミンメイ』っていう項目があって吹いた。

リン・ミンメイ-Wikipedia

『小白龍(シャオ・パイ・ロン)』ってミンメイ主演のカンフー映画の事だったんだね。



この曲のギター。よく聴くとなんか不思議なリフなんだよね。どうやって弾いてるのかよおわからん。まあ、どうでもいいが。



で、正直な話、自分もこのアルバムを買うまでは、飯島真理さんの事はよくわかっていなかった。
このアルバムを買った理由も、収録されている『天使の絵の具』という曲が大好きだった事と、吉田美奈子のプロデュースであるという事からだった。

で、これがその『天使の絵の具』。



初めてこのアルバムで聴いた時の俺の感想 → 「これ、違うよ。おい」

そう、このヴァージョンは劇場版『マクロス』のエンディングで使われたヴァージョンとはまったく違うアレンジなのである。

『マクロス』ヴァージョンの方しか聴いた事がなかったので初めて聴いた時はかなり違和感を感じた。

で、その『マクロス』の方のヴァージョンがこれ。



まったく違う。
静と動、光と陰ほど違う。
リリース時期はたった3ヶ月程しか違わないが、アレンジによってここまで雰囲気が変わるとは。
あらためて、楽曲におけるアレンジの重要さというのを思い知らされる。

で、こちらのヴァージョンのアレンジャーだが、清水信之である。
清水信之はEPOのアレンジャーとして知られる人で、この後、飯島真理のサードアルバム『Midori』を手掛ける事になる。

このヴァージョンは劇場版『マクロス』の主題歌『愛・おぼえていますか』のシングルのB面に収録されている。
ちなみに、『愛・おぼえていますか』は安井かずみの作詞、加藤和彦の作編曲で、当時のアニメの主題歌としては異例の大ヒットを記録した(オリコン週間順位7位 / 年間順位38位)。
飯島真理もテレビの歌番組に出てこの曲を歌っていたので、記憶している人も多いだろう。
しかし、個人的にはB面に収録されている飯島真理作詞・作曲の『天使の絵の具』の方が断然いい曲だと思うのである。

そして、正直な話、吉田美奈子が手掛けた静かでスローなヴァージョンより、清水信之の手掛けたポップなヴァージョンの方が好きだ。
だからといって、吉田美奈子ヴァージョンが嫌いな訳でもないのだが。
吉田美奈子ヴァージョンも独特のムードがありそれなりに好きなのである。
聴く程に好きになっていく。
ちょっと打込みっぽく聴こえるドラムはどうかと思うが(でも多分打込みではなくちゃんと叩いてる)、途中のコーラスやストリングスなども曲にいい空気感を与えていると思う。
まあ、結局のところ、飯島真理のソングライターとしてのセンスが良かったという事だろうね。

で、このアルバムの中で次に好きなのがこの曲。
『シンデレラ』



渡辺香津美のギターが(アコースティックとエレクトリックギターの両方を使っている)この物悲しいメロディに心地よい透明感を与えている。
ほんと名曲だと思う。
実は、この曲もマクロスで使われた様だが、まったく覚えていない。

で、この曲もいい曲。



栗本薫さん(一昨年お亡くなりになっています)という女流SF作家の『レダ』という作品にインスピレーションを受けて書かれた曲だそうです。
これも、ものすごく透明感というか彼女独特の空気感がある。

この3曲聴くとどれも、ちょっと暗い感じなんだね。
でも、実際にアルバム全体を聴くと結構ヴァラエティーにとんでいるんだなあ。

こんな感じとか。



こんな感じとか。



これも好きだね。俺は。



他にも、所謂シティー・ポップ的な曲もある。
とか言ってるけど、シティー・ポップの定義がイマイチ良く分かってない俺。
とにかく、とてもいいアルバムだと思う。
真理さんのソングライターとしてのセンスが存分に味わえる。
正直なところ、プロデューサーの吉田美奈子色はあまり感じないのだが、美奈子さんもコーラスなどで参加しているようだ。
「このコーラス美奈子さんだな」っていうところがある。

ちなみにこのアルバムのプロデューサーは吉田美奈子だが、ファーストアルバムのプロデューサーは坂本龍一、サードアルバムは清水信之のプロデュースである。
この事から推測しても、レコード会社的にもアイドルとしてではなく、期待の新人シンガーソングライターとして真理さんを売っていこうという戦略があったんだと思う。
しかし、『マクロス』がねえ...。

因みに教授プロデュースのアルバム『ロゼ』に収録されている曲はこんな感じ。



いいね。

その後、山下達郎の誘いで達郎のMOON RECORDSに在籍していた事もあった。
ミュージシャン受けがいいんだね。
同業者からはちゃんと評価されている。
で、移籍第一弾は当初達郎さんのプロデュース予定だったが、真理さんの意向によりセルフ・プロデュースになったという。
飯島真理の作詞・作曲で、山下達郎のプロデュースだったら...。
想像するだけでもヤバい作品が生まれたんではないかと思う。
聴きたいよ。俺は。ものすごく。
もし、実現していたら真理さんの現在の評価ももう少し違っていたかもしれない。

そして、実はバート・バカラックと曲を共作したりした事もある。

90年代後半からはアメリカで活動していて、現在までに日米で21枚もアルバムを出している。
日本ではあまりにも知られていない様だが、2000年代後半には、アルバム"WONDERFUL PEOPLE"収録曲"UNSPOKEN LOVE"が、アメリカ最大のインディー音楽賞JUST PLAIN FOLKS MUSIC AWARDSのベスト・アジアンソング賞を受賞したり、アルバム"UNVOMPROMISING INNOCENCE"収録曲"SWIM"が第50回グラミー賞ベストポップ女性アーティスト賞とアレンジ賞にノミネートされたりしている。
これって、日本のメディア、仕事さぼりすぎじゃね。
もっと報道してよい筈。
それとも、俺だけが、知らなかったのか?

アメリカに渡ってからはメジャー契約は解除してインディーだが、スティーブ・ルカサー(TOTO)、マイク・ポーカロ、ミック・カーン、最近ではヴァン・ダイク・パークス、イアン・ベンソン(アラン・パーソンズ・プロジェクト)がアルバムに参加するなど、アメリカのアーティストとの交流も活発の様だ。

そして、渡米後、『ROBOTECH』として『マクロス』が人気があるという事を知り、『マクロス』にあったわだかまりもとけたようである。
「すごい作品にかかわっていたんだな」と。
2006年にはアメリカで発売された英語吹替え版DVD『SUPER DIMENSION FORTRESS MACROSS』でリン・ミンメイの役を真理さんが英語で吹き替えたという。
オリジナルの声優さんが他言語で、その役の声優をやるってすごいと思うよ。
マジで。



で、まとめ。
このアルバム、レコードだったらヤフオクで500円以下で買えると思うんで、日本の音楽にも興味がある人には是非とも入手して聴いてみてほしい。
真理さんのソング・ライターとしての素晴らしさが存分に味わえるから。
こんな萌えな写真も入ってるし。



萌え〜。

ああ、マクロス観たくなってきた。












P.S.
しかし、あのおっさんだけは絶対殺す。
ビルの屋上からブロック落としてぶち殺すかんな!!!
マジだぞ。こら!!!
俺にぶち殺されるまでのわずかな人生、せいぜい楽しめよ。

殺っかんね。マジ!!!
てめえ。こら。覚悟決めとけよ!!!

6 件のコメント:

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  2. >ichiro さん
    何故に削除?

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  3. (´・ω・`) ・・・
    うん、削除したんだ。
    チョウスケとシンクロしたことに、いきおいあまって
    かなりオタ臭のするコメントを書いた。しかも間違っていた。

    まあ、あれだな。シンデレラはミンメイとヒカルがマクロス艦内に閉じ込められたときに歌っていたな。たしか

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  4. ああ、あのミンメイがシャワー浴びるシーンですか。
    と言う事はアカペラ?

    ヲタ臭ただよってもいいじゃないすか。
    だって忘年会で公言してたじゃん。
    ヲタ系含め、サブカル系を普及させていくと。
    どんどんヲタ臭させてくださいよ。
    でも、間違いはいかん。
    本職のヲタの人に突っ込まれるから。

    あー、『マクロス』見てえー!!!

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  5. >go さん
    ピンポイント・バリヤー。
    「そっちはダメー」by ピンポイント・ギャルズ。

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