2010年10月19日火曜日

LINDER & LEWIS "SEVEN DEADLY SINS"

LAURIN RINDER & MICHAEL LEWIS "SEVEN DEADLY SINS"


77年 AVI RECORDS

"EL COCO"や"TUXEDO JUNCTION"としても有名なLINDER & LEWIS。



モンドな感じといえばいいのか。これもクラシックス。


その鬼才2人がLINDER & LEWIS名義でリリースした最初のアルバムがこの"SEVEN DEADLY SINS"。
"EL COCO"とはまったく異なる音楽性。
ジャケットのILLな表情そのままに、当時としてはかなりいっちゃてる内容となっている。

まずアルバムの1曲目を飾るのはダンスクラシックスとしても有名な"LUST"。
風の音から始まり、フェードインしてくる4つ打ちのキック、反復するベースライン、宙を舞う様なシンセの音が妖しい雰囲気を出している。



この音で、77年だからね。
ほぼディープハウス。
途中のブレイクは意味不明だが。

2曲目"SLOTH"はイマイチ。

しかし、3曲目"GLUTTONY"がまたかなりヤバい。
地を這う様なシンセベースが本当にくせになる。
ひじょうに中毒性のあるトラックだと思う。



これで77年ですよ。
テクノのプロトタイプといってもよいかもしれない。
当時の人はこれを聴いてどう思ったんだろうね。
この曲は1時間でも、2時間でも聴いていたい。
それぐらい気持ちいい。
ちなみにこの曲は"MOXIE"というディスコ・ダンスクラシックスのリエディットを出してるレーベルからリエディットされたものがリリースされていたと思う(記憶が正しければ)。
残念ながら、YOUTUBEで探す事ができなかった。

B面1曲目はちょっとジャズファンクっぽい(この意見には異論もあるかもしれませんが)"PLIDE"。



この曲もすごく好きだ。
途中のオルガンっぽいキーボードソロ、最後の方のピアノソロ(フェードアウトしていくが)が気持ちいい。

つづく"ENVY"は唯一のヴォーカル曲だが正直イマイチ。

"ANGER"。
跳ねるベースとパーカッシブなビート、オルガンっぽいキーボードがアフリカの草原を思わせる様な軽快なトラック。
しかし、ドラムが激しくなるブレイクがまた病んでいる。



男声のうめき声や笑い声、「ハッ!」という叫び声...。
この曲もハウス等と一緒にかけてもまったく違和感が無いね。
ちなみにこの曲のブレイクは、CARL CRAIGとLAURENT GARNIERの"TRES DIMENTED"という曲でサンプリングされている。



これもクラブでかかったらハマるね。
徐々に電子音がはいってくるところ、曲の半分までいったところでやっと909のキックがはいってくるところがかっこいい。

アルバムの最後を飾るのは"COVETOUSNESS"。
ジャズファンクっぽいというか、ちょっとフュージョンっぽいダンスミュージック。



ちょっとLONNIE LISTON SMITHっぽいというか、MIZELL BROTHERSが手がけてた頃ののJOHNNY HAMMONDっぽい感じもする。
いや、ちょっと違うか。
あくまで私見です。

まあ、とにかくこのアルバムは相当時代の先をいってたと思う。
何度も言うけどこのサウンドで77年だからね。

LINDER & LEWIS名義としては3枚のアルバムを出してるらしいが、残念ながらこのファーストアルバムしか持っていない。
サードぐらいになると、かなり普通の音楽になっているという噂も聞くがどうなんだろう。

セカンドアルバム"WARRIORS"収録曲はYOUTUBEで何曲か聞く事ができるが、内容的にはエレクトロ・ディスコでファースト程ではないがなかなかいい。
売ってれば買うだろうね。まちがいなく。
ちなみに、JOHNNY OTIS "WILLIE AND THE HAND JIVE"や、THE CLOVERS "LOVE POTION NO.9"のエレクトロ・ディスコ調カヴァーなども演っている。

残念ながら、このアルバムはCD化されていない様である(仮に過去にCD化されていたとしても現在は売ってない様だ)。
アナログは、数年前に再発(リプロ盤という噂もあるが)した様なので探せば入手できるかもしれない。
まあ、オリジナルも激レアというわけでもないけどね。
俺も普通に買ったし(若干高かった事は確かだが)。
欲しくなった人はがんばって探してみてください。

2 件のコメント:

  1. こないだ家で聴かせてもらったけど、やっぱりかなりヤバいね。

    3曲目は何かに似てるなぁと考えていたら思いだしたよ。
    「ブレイドランナー」メインテーマのシンセ・ベースのシーケンスみたいだと・・・。

    B面1曲目がジャズ・ファンク調てのには俺も同感。
    オルガンが入ってくる辺りが濃厚なんじゃないかな?
    あとはボトムの音がもっと太くなってたら完璧。
    神経質なサウンド・バリエーションがアルバムの核にもなってる訳だからこの微妙さが逆に心地よい。


    それにしても、CD出てたらまず買うだろうな。

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  2. >kakinuma さん
    まあ、これ書くにあたって、レコード何回か聴き直しましたけど(その後YOUTUBEでも聴いて...)まず、ヤバいですね。
    俺も指摘されて気付きましたけど、確かに3曲目、ポリス・スピナーが飛んできそうですね。
    『ブレラン』より前ですけどね。

    そうなんですよね。
    結構ダンス・ミュージック的には評価されてるアルバムなのに何故かCDが出ていない。
    この何でも出てる時代に。

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